GIAのダイヤモンドのカットグレードの概要が発表されて、業界で議論が高まっている。日本の従来のカットグレードに比較してより幅の広いものになることに戸惑いがあるようだが、今回のGIAの提案は、より多様な価値観を認めたことに意義がある。
何よりも、パターンと称した「モザイク模様の濃淡の美しさ」に言及している点である。機械がはじき出すデジタルな結果だけではなく、肉眼で見たアナログな判断を加えたことは歓迎だ。
GIAは触れていないが、例えばラウンドブリリアントのようにファセットが同数ならば、サイズによってモザイク模様の大きさも異なるので美しさも別な筈だ。実際に直径が1.5ミリ以下の小粒とより大粒のブリリアントカットを比較すると分かりやすい。小粒のものはモザイクが潰れてメリハリがないのに対し、大粒のものはモザイクのバランスが良く美しく輝いて見える。そのことは、カットグレードの限界を示している。
宝石は、本来、一つ一つが異なる。プロはデータを鵜呑みにしないで、ジュエリーに仕立てることを考え、実際に見て美しさを判断するのが基本だ。 |