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見方がわかると、価値を生む/コラム
 
[第39回] 「決め台詞を疑う」 2007/08/30 by:副島 淳一郎

宝石がセッティングされたリングを指で上からゴシゴシと押さえ付けて「高さがないので引っかかりがありません」という販売員の接客をよく目にします。日常使いの条件として高さのないリングが好まれ、いつしか販売の決め台詞として使われることが多くなりました。これはジュエリーを販売する人の理解不足から生まれた現象です。

古くから受け継がれて来たアンティークジュエリーの中には宝石を高目にセッティングして、身に着けると物にぶつけてしまいそうなものがあります。それは使われている宝石素材を美しく引き立てて魅せるために考えられたもので、その結果今も人々を魅了し還流しています。

美しく仕立てられた程良い高さのあるリングは、身に着けると逆に物に当てない用心する気持ちが上品なふるまいを生んでくれたりもします。時には自分を変えてくれるジュエリーを身に着けてみるのも選び方の一つです。

宝石の美しさを引き出す装身具には、より多くの光を取り入れる工夫や身に着けた時の高級感や存在感を出すためにある程度の高さが必要です。「引っかかりがない」という販売の台詞を耳にした時はそのリングをよく見て下さい。良い素材が地金に埋め込まれ、光が遮断された魅力のないものかも知れません。

 
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