logo

宝石辞典

産地と種類


現在オーストラリアが主産地で、世界の産出量の約90%を占めると推計されています。そしてオパールの種類ごとに産出される州が異なります。

ブラック・オパール


ライト・オパールとブラック・オパールは地色(ボディカラー)によって大別されます。ライト・オパールは明度(濃淡)は無色と白からミディアムグレーまでをいい、ブラック・オパールはダークグレーからブラックまでをいいます。

ライト・オパール (無処理)

ファイヤー・オパール


メキシコのケレタロとマクダレーナ付近がファイヤー・オパールの商業的産地で、その採掘は1870年から始まりました。ファイヤー・オパールは水分を多く含むため、比重が軽いのです。遊色効果の顕著な、いわゆるメキシコ・オパールのかなりの量が1960年代に日本に輸入されたのですが、脱水によってひび割れするオパールが多く見られました。

ライト・オパール


サウス・オーストラリア州のクーパーペディとミンタビーは世界のライト・オパールのほとんどを産出し、その母岩は香港とドイツに輸出されて研磨されます。したがってオーストラリアで販売されているほとんどのライト・オパールは、香港とドイツで研磨されて、オーストラリアに輸入されたものなのです。宝石は運送コストが低いので、最適な加工先を求めて商品が移動します。

ライト・オパール (無処理)

ボルダー・オパール


ボルダー・オパールは、自然な産出状態で褐鉄鉱の母岩がオパールの一部となって研磨されているものです。オーストラリアの北東、クイーンズランド州中央の数百キロメートル四方にボルダー・オパールのフィールドが広がっています。価値は遊色効果の強さ、母岩の入り方で異なり、同じような美しさのブラック・オパールのおよそ1/3と見られています。

品質の見分け方


宝石の善し悪しの決め手は、美しい輝きと美しい色に尽きます。 宝石によってどちらか一方が決め手になったり、両要素ともに決め手になったりします。ダイヤモンドは美しい輝きが決め手で、エメラルドやヒスイは美しい色が決め手になります。オパールは輝きと色が一体となってビューティグレードに反映される良い例です。色の強さ、全体の鮮やかな”冴え”が良いオパールの必要条件です。この鮮やかでギラッとした状態を、オパールの”色の輝き”と表現することもできます。


次ページのクオリティスケールで示した通り、鈍い色のものは美しさに欠け、ビューティグレードがCやDとなります。よく赤の出ているオパールが良いとされますが、それは冴えがあることが前提となっています。Sで赤の出るものは素晴らしいのですが、Dで赤が出ても無意味な赤で品質は悪いということです。また一般的に青がよく出ているSの方が、赤がよく出ているAよりも美しいものです。


オパールは硬度が5~61/2と低いうえ水分が多く、熱などによって亀裂(クラック)が入りやすいので、ていねいに扱うことが大切です。またダブレット(貼り合わせ石)や処理ブラック・オパールなどは一見美しくても価値は低いので、覚えておくとよいでしょう。


選び方


ライト・オパールは比較的安値な宝石なのでジェムクオリティから選び、高品質の宝石を楽しみたいものです。手軽なアクセサリーに使われている品質なのかどうかは、クオリティスケールで比較すると美しさの差が一目瞭然なので、手元のもので試してみると面白いでしょう。


海外でライト・オパールを求める場合、同じ大きさで価値の上中下のものを出してもらって、全体の鮮やかな冴えを見極めて、価値判断をしてみることです。補遺跡の価値は品質が同じ程度なら、世界中どこでも大きな差があるものではありません。デザインと作りの良さから割高だと思われがちな専門店の宝石が、じつは品質が良く、適正価格であるのが現実です。


3カラットサイズのジュエリークオリティの価値は、石のみで、1個当たり800USドルが目安です。(2004年現在)


next