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宝石辞典

色の種類


ブラック・オパールの品質を語る時、遊色効果の何色が強いのが貴重なのかが議論されます。最高が赤で、オレンジ、グリーン、青の順にいわれますが、それ以前に大切なのがもちろん輝き、冴えた鮮やかな色を発しているかどうかです。この条件が同レベルの時に赤が出るのが最も良いとされるのです。しかし実際にはどのような赤なのか、オレンジがかった赤か、ピュアな赤か、紫がかった赤か、これも色みが異なるわけで、最後は美しいと感じられる程度によって決まります。ここでは赤のSとD、オレンジのSとD、ブルーのSとDをあえて並べてみました。Dの品質は、濁っていて美しさに欠けるため、赤が出るか出ないかは問題ではありません。これは宝石を評価する時に共通していることで、たとえばダイヤモンドで美しい輝きの十分でないものに、色の稀少性やキズの有無を議論しても仕方のないことであるのと同じです。

品質の見分け方


善し悪しの見分け方の基本は、ライト・オパールと同じように、輝きと色を一体として判定します。色の強さ、全体の鮮やかさが高品質のブラック・オパールの必要条件です。そして形(なり)が良く、石に適度な厚みがあり、クラックがないものの中で、遊色の強さが赤、オレンジ、グリーン、青の順にプレミアムプライスがつきます。また模様の出方が大切で、針先が集まったような小さなパターンよりも、大きめのモザイク模様のほうが好まれています。中でも、特に模様の美しいものには名称がつけられ、珍重されています。また同じ石を二方向から見ると、一方からは黄色とグリーンで別方向からは赤とか、一方はブルーで他方はグリーンとか全く別の色を発するブラック・オパールがあり、その稀少性に対しても価値が与えられます。ブラック・オパールの明度は6または7付近で、ビューティグレードは色の輝きの程度を軸に、形(なり)とクラックの有無などを考慮して品質を位置づけます。

選び方


ブラック・オパールは可能なかぎり目減りを少なくし、かつ美しい面を出すことを念頭に置いて研磨します。そのため1個ずつ形や色の出方もすべて異なり、この世に1個しか存在しないものとなります。ジェムクオリティ、ジュエリークオリティの1~3カラットのものを選ぶのが賢明です。


加工費のことやデザインの出来不出来を考えると、信用のおけるお店でリングやペンダントの完成品として購入するのがよいかもしれません。海外でルースのブラック・オパールを買って持ち帰ることもできますが、オパールは硬度が低く、水分を含んでいるので、下降中の事故も発生しやすいことを知っておきましょう。


3カラットサイズのジュエリークオリティの価値は、石のみで、1個あたり3,000USドルが目安です。(2004年現在)

ブラック・オパール (無処理)
ブラック・オパール (無処理)
ブラック・オパール (無処理)
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