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宝石辞典

産地の特色


水晶は石英が結晶化したもので、世界中いたる所に存在します。このうちの紫色のものがアメシストで、硬度は7、耐久性にも優れた宝石です。宝石として硬度7以上が好ましいのは、地球上に石英が多いため、これより低いと摩擦が激しくなるからです。現在の主要な産地はザンビア、ブラジル、ウルグアイで、各産地ごとに品質の特徴があります。現在は掘り尽くされてしまいましたが、数百年前にアメシストを産出したドイツのイーダーオーバーシュタインは、その後の宝石券町のさきがけとなりました。そのほか、ロシアのウラル地方、スリランカなどでも産出されています。


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ザンビア産


アフリカの中欧南部に位置するザンビアは良質のアメシストの産地で、1980年代初頭から産出が本格化しました。ザンビア産のアメシストは色が濃く、魅力ある紫色をした原石です。しかし一方では、内包物やカラーバンド(色溜まり)が多いため、研磨業者は角度、面の取り方を工夫して、可能な限りクリーンな宝石に仕上げます。産地によってインクルージョンや明度に一定の傾向があるのは、自然が天然の原石を作り上げた時の周囲の状況など、さまざまな条件の違いによるものだと考えられます。

ブラジル産


ブラジルには多くのアメシスト鉱山があります。他の宝石と同様に鉱山によって原石の特性が異なり、品質も多岐にわたっています。大きいけれども色の淡いものや、黒みを帯びてしまい鮮やかさに欠けたものも多く存在します。シトリン(黄水晶)は自然界にも存在しますが、ほとんどがアメシストを加熱したもので、この加工にはブラジル産のアメシストが多く使われます。


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ウルグアイ産


南米大陸のブラジルの南に位置するウルグアイで産出されるアメシストは、紫色が均等でなく、色が一部に集中しているものが多いのが特徴です。これをカラーバンド、または色溜まりといいます。フェイスアップで見た時に、無色の部分が見えるものは品質が低いと判定されますが、フェイスアップで見て美しければ、他の角度から見て無色の部分が見えても高く評価されます。ブラジル南部から採掘されるアメシストに似ており、産地の特徴は国境によってではなく、地域でとらえるほうがよいということを示す好例といえるでしょう。

品質の見分け方


通常アメシストは各地で多く産出されますが、その中でも特に透明度が高いものが、宝石としてクオリティスケール上のアメシストのように研磨されるのです。


アメシストの品質の善し悪しのポイントは色の深さ、透明度の高さ、色ムラ、肉眼で見えるキズの有無などです。アメシストは、非常に色の濃いものから淡いものまで幅広く存在しています。ロードライト・ガーネットが濃いめのものに片寄り、アクアマリンが淡めのものに片寄るのと比較すると面白い傾向といえます。アメシストは加熱されていません。グレーやブラウンのかかっていない純粋な紫で、透明度が高く、明度が6または濃いめの5がジェムクオリティで、その美しさはこくがあり力強いものです。


次ページの表では明度が7~5がザンビア、4~2がブラジル産です。


選び方


比較的安価なアメシストだからこそ、ジェムクオリティの宝石らしいものを求めることをお勧めします。


アメシストは他の宝石と組み合わせて使う時は多少淡めでもよいのですが、軽く見えてしまう傾向もあるので、デザインや作りなどとの総合的なバランスが大切になってきます。明度7以上の濃すぎるものは、夜間の暗い照明の下では黒と見間違えられる恐れもあるので、避けたほうが賢明でしょう。


3カラットサイズのジュエリークオリティの価値は、石のみで、1個当たり160USドルが目安です。 (1998年現在)


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