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宝石辞典

パライバ・トルマリンの色相


先に述べたように、パライバ・トルマリンは明度は4近辺でほぼ一定しています。基本的な品質の判断はまずビューティグレードで行われ、さらに色相についても考慮がなされます。なぜならパライバの魅力は、ネオンカラーのトルコ石ブルーや特殊なバイオレットカラーにあるからです。パライバ・グリーンと通常のグリーン・トルマリンとの差は単独で見るとわかりにくいものですが、両者を比較してみるとその美しさの大きな差がよく理解できます。またトルコ石ブルーのパライバの場合は、その絶対的な美しさの差を単独でも十分に感じることができます。

パライバ・トルマリンは、緑から藍の非常に広い範囲の色相を産出します。

色相環


色相とは、虹に見られる赤み、黄み、青みなどの色合いのことで、色相を循環的に配列したものが色相環です。PCCS(日本色研配色体系)は24色相で構成されています。修正マンセル体系では20色相が色票化されています。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫とその中間の色相を数字と色相で表すことができます。パライバ・トルマリンには、緑青藍の広い範囲の色相のものが存在します。

パライバ・トルマリン (加熱)
パライバ・トルマリン (加熱)

品質の見分け方


まず美しさの見極めから始めましょう。次ページのSABCDを見ると、非常に美しいSから美しさに欠けるDまでおおよその美しさのランクがわかります。上段と下段にそれぞれコバルトグリーンとトルコ石ブルーの色相の異なるビューティグレードを掲載しました。同じビューティグレード、たとえばAではトルコ石ブルーがより多く好まれるために、稀少性も高く価値も高いということがわかります。タイ産ルビーの色相も広範囲にわたるため、色相によるビューティグレードの調整が必要でした。パライバ・トリマリンの場合は、トルコ石ブルーには同一のグレードでもプレミアムプライスがつくように考えるのが、理解が得られる方法だと思います。


前述したように、パライバ・トルマリンのクオリティスケールの使い方は、まずビューティグレードの5段階を確定します。次に色相によるプレミアムを考慮します。同じビューティグレードの中ではトルコ石ブルーが最も美しいと思う人が多く、それに対してプレミアムプライスがつくのです。


パライバ・トルマリンも、色をより魅力的にするために加熱処理されています。


選び方


パライバ・トルマリンは全く新しい種類の宝石です。鉱物学的にはトルマリンですが、今までのものと印象が大きく異なっています。また他の宝石とも全く異なり、非常に鮮やかなブルーまたはグリーンの宝石です。その美しさは、伝統的な宝石の持つ気品ある美しさとは異なる魅力を持っています。


従来の宝石にはない鮮やかな美しい色のものを、大小にかかわらず選ぶのがパライバ・トルマリンの選び方のポイントです。ジェムクオリティにこだわらず、ジュエリークオリティもアクセサリークオリティも若々しく鮮やかな色が感じられるのも魅力です。


1カラットサイズのジュエリークオリティの価値は、石のみで、1個当たり2,500 USドルが目安です。 (2004年現在)


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