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宝石辞典
宝石の価値は、本来は受け継がれる時にしかわからないかもしれません。流行によって需要の変化があったり、供給面からの大増産や減産があったりして買った当時と状況が変化することは考えられます。しかし、それはあまり気にする必要はありません。いくつかの種類をとり混ぜれば平均化するでしょう。大切なのは、どんな品質を選ぶかです。「楽しみ半分、資産半分」を念頭において考えると、ジェムクオリティは楽しみ50資産50、ジュエリークオリティは楽しみ80資産20、アクセサリークオリティは楽しみ100%となるでしょう。アクセサリークオリティは品質が低く、作りも粗雑で受け継ぐ人がどれだけの価値を認めるか疑問だからです。ジュエリークオリティの資産20はアイテムによります。時とともに人気の出る品質やデザインであったら、資産30、40と上昇するかもしれませんが、逆の場合はアクセサリークオリティと同じです。ジェムクオリティは宝石の価値が高いのでリモデルにもかけやすく、必ずしもすべてが50、50というわけではありませんが、量が限られているので、マーケットが拡大すればするほど稀少性が増すのは確かです。

すばらしいジュエリーを持っている母親は、娘や孫娘に親切にされるといわれます。親切にして、あのすばらしいものを自分にいただきたいという娘や孫の期待があるからでしょう。豊かになって「食べ物の恨みは恐ろしい」とあまりいわれなくなりましたが、「ジュエリーの恨みは恐ろしい」という時代が来るかもしれません。誰に何を譲るかを考えて、クオリティの高い、受け継ぐ人に魅力のあるものを求めるのは楽しいことだと思います。

台を替えて、小粒のダイヤモンドをあしらい立爪をふだん使いのデザインにリモデルしたもの。