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宝石辞典

バイカラーとウォーターメロン


一つの結晶の中に、複数の色が見えるトルマリンの原石には、左下の写真のように区切りのついたものと、右下の写真のように外側の帯の部分と、内部の色が異なるものがあります。通常、左下の原石からはバイカラーが研磨され、右下の原石を輪切りにスライスして、ウォーターメロン(スイカ)と呼ばれる宝石を作ります。

品質の見分け方


バイカラー・トルマリンは色の組み合わせや形が千差万別で、個人の好みによって、善し悪しの判断の幅も大きくなります。まず全体を見て、バランスのよい美しさかどうかを確かめることが大切です。

次にバイカラーの各々の色は淡めでも、比較的透明度が高く、色の対比がはっきりしていることを確認することです。濁っていたり、大きなキズがあったり、一方の色みが強すぎたり弱すぎたりするバランスの悪いものや、2色に見えないものは品質が低いと判断されます。

選び方


ジュエリーの素材としては、ピンクと淡いグリーン、またはピンクと淡いブルーのパステルカラーで、色がきちんと分かれており、美しさを損なう目立つ欠点のないものを選ぶことがポイントです。

トルマリンは結晶が長い形をしているものが多いので、研磨上がりも長めになります。コンセプトがしっかりした、ユニークですっきりしたものに仕立てられたジュエリーには、自然の与えてくれた美を生かすことのできる、人間の知恵のすばらしさが感じられます。

3カラットサイズのジュエリークオリティの価値は石のみで1個当たり600USドルが目安です。(2001年現在)

バイカラー・トルマリン


トルマリンは長い結晶が多く見られ、特に長いものはペンシル・クリスタル(鉛筆の結晶)と呼ばれます。最も多いバイカラーは、一方がグリーン、他方がピンクのものです。透明度の差や色みの違いが、一つひとつの個性的な味を出しています。

ウォーターメロン・トルマリン


右の3枚のウォーターメロンのスライスのように、内部が赤、無色、緑、または赤、無色、青などに区切られ、一つひとつ異なった各々のパターンを作っています。一番下のウォーターメロンには、濃い緑の枠を分割する3本の淡い赤の帯が見えます。これらは、自然の美しいデザインといえるかもしれません。

バイカラー・トルマリン
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