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宝石辞典

産地の特色


現在、シトリンの素材であるアメシストの主要産地はブラジルです。バイア州、リオ・グランデドスル州、ミナス・ジェライス州、ゴイアス州から産出します。14ページのイヤリングに使われている濃いめのオレンジイエローのシトリンはリオ・グランデドスル産で、この色は最初の採掘地名にちなんでパルメイラ・カラーと呼ばれています。アメシストはザンビアからも産出されますが、こちらは加熱しても色が変わらず、シトリンにはなりません。

バイア

バイア


バイアは、ブラジルの宝石産地の中心であるミナス・ジェライス州よりも北に位置する州の名で、ここから採れるアメシストを加熱したシトリンを、バイアのシトリンと呼びます。色は淡い黄色です。比較的大きなサイズが産出され、価格はファセットカットされる宝石の中では、割安といえます。

マデイラ


ブラジルのリオ・グランデドスル州で採れるアメシストを加熱したシトリンは、最も色が濃く、かつ赤みを帯びています。このシトリンの色が、ポルトガル領のマデイラのワインの色に似ていることから、マデイラと呼ばれてきました。シトリンの黄色は産地によってさまざまであり、ジュエリーに使う時は、産地ごとに別の宝石と考える必要があります。

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アメトリン


アメシストとシトリンの二つの色を持つアメトリンは、バイカラー・アメシスト・シトリン、バイカラー・シトリン・アメシストとも呼ばれています。

品質の見分け方


産地によって色みの異なるシトリンの品質の善し悪しは、グレイみや黒みを感じない、純色であるかどうかがポイントです。

パルメイラ、マデイラ、バイア、それぞれの色みについては、選ぶ人の好き好きです。また、どんなジュエリーに使うかで、どの産地のものを選ぶかが決まります。

宝石の美しさを色の濃淡で比べることは意味がありません。色の濃淡は、選ぶ人の好みによるからです。ただし、より多くの人が好むものは、稀少価値となる要因の一つです。宝石の品質がきちんと理解されると、淡めでも非常に美しいものが、いっそう注目されるようになるでしょう。将来淡めで美しいものをより多くの人が求めるようになると、その稀少性が高くなり、結果として価値が上がるものも出てくると思います。


選び方


シトリンは美しいにもかかわらず、ファセットカットされている宝石の中では割安なものの一つです。美しさと大きさを同時に楽しむことを、選ぶ時に念頭においてください。2個で5カラットのパルメイラのモダンなイヤリングや、50カラットのバイアのブローチやペンダントなどは、同じ大きさのほかの宝石では決して手に入らない価格で、高品質のものを買うことができます。

大きくてもアクセサリークオリティのものは美しさに欠け、シトリンの良さが発揮されていないので、避けるのが賢明です。

3カラットサイズのジュエリークオリティの価値は石のみで1個当たり80USドルが目安です。(2001年現在)

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