カット:プロポーション
一つひとつの結晶は、その最適な美しさを引き出すために、形や面のとり方、立体の枠組みなどが決められます。プロポーションは、この立体の枠組みのことです。カッターは熟練の技術で心地よい形を出し、ファセットの接点をていねいに仕上げて、魅力あるファンシーシェイプ・ダイヤモンドを完成させます。バランスが適切で美しい輝きが十分発揮されているかどうかは、目で見て確かめます。 |
市場では、ダイヤモンドの本質をよく理解していない人たちが、グレーディングレポートの記号や数値だけで品質を決めようとしてきました。目安として記号や数値を使うことはプロとして当然ですが、ダイヤモンドをはじめ、宝石の美しさが記号や数値で表せないことは、理解されなければなりません。さらに美しさには主観の要素があり、それを客観的な数字や記号で結論するのは困難です。分析してプロポーションの客観的要素を見る時も、このことを十分理解して取りかかることが必要です。 |
一方、短辺や直径に対してどれくらいの深さが美しさを最もよく発揮するかなどの客観的数値は、経験が教えてくれます。 |
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| この深さの割合をトータルデプスといいますが、マーキス、オーバル、ペアーシェイプ、ハートシェイプは、それが50〜70%の範囲に入っていれば、美しさを発揮できます。下の真中のマーキスは、トータルデプス58.8%で、理想に近いものです。右は極端に長いものですが、短辺に対する深さは44.5%を示しています。このカットだと浅すぎて、ダイヤモンドに入った光が逃げてしまいます。左のものはトータルデプス74.0%で、輝きを減少させ白っぽくなります。深すぎる石は、美しさに欠けるだけでなく、石が枠にうまくセットできないという問題を起こすことがあります。 |
ただし透明度の劣る結晶は、プロポーションの善し悪しに関係なく、美しい輝きは得られません。また、ガードルの厚み、クラウンとパビリオンのバランスが一定範囲内であることも大切です。 |
特に数カラットのペアーシェイプやマーキスになると、透明度が高ければ、トータルデプスが50%前後でも、その大きさの力のためか、魅力あるものが見られます。数字で美しさを結論できない一例です。 |
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品質の見分け方
クオリティスケール上の、ビューティグレードがSのものは透明度が高く、強い輝きと橙、青、藍など虹の7色の強い分散光が、バランスよく出ています。また姿が良く、動かすと燦然ときらめくものです。その中でより多くの人に好まれるトーンのものがジェムクオリティとなります。ジュエリークオリティは、下の表中のグレイの範囲ですが、美しさを楽しむのでしたら、明度が1+、2、2+のSのものをおすすめします。
ジュエリーに使われている小粒のものの品質は千差万別ですが、信頼のおける店は、黄色みの範囲やキズ、仕上げの下限を決めて商品作りをしています。いくらカラーが無色でも、0Dに見られるような、輝きの劣るものがセットされているジュエリーはおすすめできません。素材が悪かったり、プロポーションの劣るものがこの範囲(D)になります。 |
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