プリンセスカットは、1970年代後半にマーケットに出た比較的新しいカットです。宝石の形と面のとり方については、古くからいかに美しくかつ研磨のロスを少なくするかが考えられてきました。プリンセスカットはその美しさ、原石の効率性、ネーミングの良さが重なり、20世紀後半に最も成功したカットです。面のとり方をブリリアント式にしたもので、強い輝きを発揮させることに成功しています。その秘密は四角な形にあります。四つの角にのびる細かいモザイク模様が美しく輝くからです。
下のプリンセスカットが9個セットされたリングをご覧下さい。ダイヤモンドの間がびっしりつまって、ちょうど日差しに映える瀟洒な建物の連続した四角い窓のように、落ち着いた雰囲気を感じさせてくれます。数個のラウンドブリリアントを一つの面に並べると、隙間があいてしまうというデザイン上の問題点を解決してくれたのが、プリンセスカットだったのです。 |
プリンセスカットは厚く研磨されます。それによって、美しく強い輝きが得られるからです。厚みを生かして輝かせるために、研磨のロスが少なく、通常1.5カラットの原石から研磨できるプリンセスカットは、1カラットです。一方、同じ大きさの原石から研磨できるラウンドブリリアントカットは、0.7カラットにしかなりません。素材のロスが少ないままに楽しめるというのは、プリンセスカットの大きな特徴と考えられます。
プリンセスカットは色を濃く見せるので、エメラルドカットよりも、黄色みが強くなります。そのためファンシーイエローに多いカットでもあります。また、その輝きの力はキズを目立たなくし、ジュエリーの素材として優れています。
プリンセスカットで注意しなければならないのは、エッジが欠けやすいことです。角がかなりシャープであるため、石留め時にその角の周りが欠ける事故が起こりやすいのです。 |