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宝石の価値の決まり方
楽しみ半分、資産半分
宝石は硬度が高く、耐久性に優れているものが人々に気に入られ、流行してきました。その宝石の産出が続いていることを条件に、身に着けて自然の美しさを楽しんできた人々が周りに影響を与えること、そして変質がないことが品質への信頼を生みます。やがてその宝石は、一般に行き渡って慣習となり、社会で望ましいと判断され、次の世代に伝えていくコンセンサスがとれて伝統となり、確固たる需要が作り上げられてきたのです。例えば美しいダイヤモンドには、歴史の上に築かれた高い信頼性によって、高い需要があるのです。

1920年代に流行した、ブルー・ジルコンは、本当に鮮やかな美しいブルーの宝石ですが、いつのまにか市場から消えてしまいました。原因は、日に当てるとブルーにイエローやブラウンみのかかってしまう性質が信頼性の欠如となったためと考えられます。1980年代に人気の出たタンザナイトは美しいブルーの宝石で、特にこの数年米国で流行していますが、これが流行で終わるのか、慣習として定着し、伝統の域に達するのかは、買って使った人々の今後の評価が鍵です。業界や業者が一時的に強力なPRやプロモーションをしても、宝石は売れてしまえばそれでいいというものではないので、定着するか否かは、後世の人々に委ねられることになります 。

宝石は自然が造ったものなので厳密には1個1個違った品質が供給されます。宝石の種類、原産地、無処理、処理、美しさ、濃淡、欠点の有無、サイズがバラバラに産出研磨され供給されています。
その各々の品質の需要と供給によって宝石の価値は決まっているのです。また、宝石は食べて無くなってしまうものではないので、今まで人々が残してきた宝石も再販売市場に出る出ないにかかわらず価値に影響を与えていると考えられます。

宝石の価値判断は宝石種の需要と個体の品質を判断してそれに対応する需要をマーケットで感じてするものです。本書では宝石の品質を種類、原産地、無処理・処理に分けて、サイズごとの「ジェムクオリティ」「ジュエリークオリティ」「アクセサリークオリティ」で判定し、それに対応した価値を説明しています。

宝石は「美しく稀少なもの」です。 名称が違っている場合や、合成石を宝石という場合は明らかに偽物になりますが、宝石種として鉱物学的に合致していても、美しさに欠けるものに価値はほとんどありません。真っ黒なサファイヤのように、天然でも美しくないものは、名称はサファイヤでも宝石というには値しません。サファイヤと呼ばれるから宝石なのではなく、 「美しく稀少」だから サファイヤという宝石なのです。宝石の価値は、美しさの程度と稀少の程度で決まるのです。

また宝石の稀少性は、「産出が少ない」ということだけではなく、「需要が多い」ということを理解することが必要です。1カラットのラウンドブリリアント・ダイヤモンドは、ジェムクオリティ、ジュエリークオリティを合わせ、年間10万個程度研磨されていると推定されますが、これだけ多く研磨されても、世界人口・60億人の10分の1の人々が欲しいと思うと、1個に対し6,000倍の需要となります。
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