SUWA
Products Where to buy Warranty Dictionary home

本来美しく欠点の少ない宝石は処理をする必要がありません。加熱や含浸を必要としない元来美しい結晶から研磨されているルビー、サファイヤ、エメラルドは自然の力が偶然創った稀少なもので、個性ある美しいものです。不完全でも美しさを大きく損なわなければ良いと考えます。欠けてしまうような欠点を除いて、ある程度の不完全を許容すれば、自然からの贈り物として、より多くの無処理の宝石を手に入れられます。

一方、処理をして美しさを引き出すことは一概に悪いとは言い切れません。供給を増やすことでより多くの人々にいきわたり、その結果高品質のもののコストが下がり市場が広がるメリットを生むからです。無処理と処理のものを明確に分け、情報公開をすすめて業界環境の整備をすることが必要です。両者の供給量は大きく異なるため、価値に影響を及ぼすからです。

スリランカやタイの宝石商たちは、どの産地の原石が、そのように仕上がるかが頭に入っています。ルビーの場合、どの原石に800〜1300Cの熱を加えると青みが取り除かれ、一層美しい赤になるか、またどの石が極端な加熱を必要とするか、そしてどれが亀裂が入ってしまうかを熟知しています。加熱処理は高い温度であるほど耐久性に影響する可能性もあります。
処理は美しい宝石の供給量を、大きく増やしています。しかし注意すべきは、例えば同じように見えるルビーが、無処理1個に対し加熱処理は100個とか1000個存在するので価値に大きな差が生じることです。またオイルで含浸処理された宝石は価値の差と共に経年変化による色褪せの現実にも留意しなければなりません。そして全く人工的に美しさを造った、放射線処理されたブルートパーズやカラーレスのサファイヤの表面に拡散処理と呼ばれる人工的に色付けをされたサファイヤは宝石としての価値は無いに等しいものです。だからこそ処理には方法やプロセスを含め明白な表示が必要なのです。

20世紀は、宝石の鉱山が次々と発見され供給は飛躍的に増大しました。

 

ちなみにダイヤモンドはこの100年間で60倍になったのです。ルビー、サファイヤ、エメラルドは1970年以降に産出量が増大し人気が高まりました。このため低品質の素材を商品化するために様々な処理がおこなわれるようになったのです。ジュエラーは自社の価値観によって何を扱い、何を扱わないかをはっきりすることが大切です。処理の事実と内容をきちんと自社のスペックの中に明示すれば、消費者は自らの価値観で宝石を選ぶことが可能となります。
 
黒ずんで暗く濁った色の
加熱前のルビーの結晶
明るく澄んだ色に変化した
加熱後のルビーの結晶
キウダと呼ばれるスリランカ産で
加熱前のサファイヤの結晶
はっきりしたブルーに変化した
加熱後のサファイヤの結晶
通常、処理をしない宝石
無処理
ダイヤモンド
アレキサンドライト
キャッツアイ
ガーネット
ペリドット
オパール
宝石辞典もくじ
次ページ