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カリブルのステップカット

カリブルとは「基準化された」という意味で、「形、サイズ、美しさが揃った小粒宝石」のことです。カリブルサイズは本書の多くのジュエリーに見られるように、1つのジュエリーに数個から十数個が使われます。大粒の宝石とは違った美しさを発揮し、コストパフォーマンスに優れています。

カリブルサイズの生産は20世紀になって初めて可能になったと考えられます。なぜならそれ以前は、小粒宝石に正確なカットをほどこす技術が十分でなかっただけでなく、形、サイズ、美しさを揃えられるだけの産出量が確保されていなかったからです。100年前のダイヤモンドの産出量は、現在の60分の1にすぎませんでした。

右の写真は2.2mmのスクエアシェイプの宝石を5種類並べたものです。ルビー、サファイア、エメラルド、ダイヤモンドは伝統ある宝石ですが、ツァボライトは1960年代から市場に出たものです。数ある宝石の中で、小粒でも色がはっきりして、透明度が高く美しいものは限られていることを考えると、ツァボライトの資質の高いことが分かります。プリンセスカットは1970年代から市場に出たものです。ダイヤモンドだけでなく、ルビーやサファイア、エメラルド、ツァボライトにも使われ、ステップカットとは異なる、強い輝きの美しさを発揮します。

小粒といっても品質を揃えるのはたいへんなことです。宝石は、形、透明度、色、キズ等が異なる原石を研磨するので、品質は一つ一つ違います。  化学工場で作る均質な合成石ではないのです。また、色の濃淡を調節したり、目減りを最小にするために、望ましい深さのバランスから離れた厚手、薄手の宝石も多く存在します。宝石が自然の創った稀少なものという固有の性質のために、一定範囲のカットに収めることは容易ではないのです。ジュエリーの構造や石留の許容できる誤差を念頭に置き、一つ一つ最適な石合わせをしてジュエリーは作られているのです。

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