一度手にして指にはめてみたら、この小動物になつかれたような感じがして、愛着が湧いてしまいます。このリングはパンテール(panthére,ヒョウ)です。目の部分には小粒のペアーシェイプのエメラルドがはめ込まれています。見る方向によってキラッとグリーンに光り、油断せず相手に対峙している気持ちを感じさせます。また、首は20°〜30°かしげさせることができるようになっていて、表情を変えることができます。大人しくしている時、何かをしようとする時のいろいろな仕草を楽しめます。
小粒のダイヤモンドはパヴェセットで留められ、パンテールの毛並みは地金の彫りの効果で表されています。また部分部分にオニキスが埋め込まれ、まだら模様を演出しています。裏側は五角形四角形に角取りされて、
ダイヤモンドに光が十分入るように考えられています。背中の部分は筋肉が盛り上がっていてたくましさを感じ、量感を出しています。首を回す軸はかなりしっかりと作られており、裏の空間の中に構造が見て取れます。 |
アールデコ(1920〜1935)のジュエリーやオーナメントには、オニキスをアクセントにしたものが多く見られます。オニキスは材料としては安価ですが、プラチナとダイヤモンドの組み合わせだけでは、表現できないことを有効に引き出してくれる不思議な素材です。カルティエは小粒のオニキスをアクセントにしたダイヤモンドのパヴェセットを1914年、初めて時計に使いました。以来、この石は次ページの写真に見られるように、パンテールの体にはめ込まれ、カルティエらしい特徴を演出しています。
下のネックレスはパンテールモチーフを抽象化したもので、豹の体のしなやかさをテーマとしています。アールのついたコマに4個ずつのダイヤモンドがしっかりとビーズセットされています。コマは両サイドからの太い丸線によって接続され、耐久性がよく配慮されています。重量は感じますが、肌に馴染むベーシックなネックレスです。 |