このイヤリングは、ダイヤモンドが作り出す具象という新しい試みです。ダイヤモンドを一つ一つ集めていき、胴体に適するものが揃ったときにはじめて構想を実現するのです。全て手作業で進められますが、まず、集めたダイヤモンドに合わせてプラチナの枠を作り、これを組み合わせてイヤリングとしてのバランスを見ながら仕上げていくのです。スタイルは集めることの出来たダイヤモンドに左右されます。右手のグラスの中は赤ワインで、斜め上から見るとルビーがわずかに目に入ります。左手のグラスは白ワインで、ラウンドのダイヤモンドで表現されています。
ファンシーシェイプの良さはその個性ある美しさと、このイヤリングのように組み合わせの効果を楽しめることです。しかし、作りたいジュエリーのファンシーシェイプの素材を集めるのは難しいことです。テーパーバゲットをはじめ、ファンシーシェイプダイヤモンドは原石の形に合わせて研磨されるので、一つ一つ形とサイズが異なり、特に短辺が3ミリを超えると同じようなものは見られなくなります。
|
ラウンドとスクエアのサイズは各々直径と一辺で管理することが可能ですが、バゲットは縦と横の管理が必要で、使用できるサイズの算出割合は理論的には1/4、実感として1/10になります。テーパーバゲット、マーキス、ペアーシェイプはこれにテーパーの度合い、曲線の輪郭の具合いを考慮することになるために、さらにその1/10となり、適切な形、サイズの出現率はラウンドの1/100というのが実感です。ファンシーシェイプを使った美しいジュエリーは限られていて、希少性は非常に高いのです。
下のイヤリングは魔女のモチーフで、ホウキの先のイエローのダイヤモンドが動きを作っています。ホウキに乗って空をびゅんびゅん飛び回っているように見えます。これを身に着けた人は、魔女のように自由に空を飛びたいという願いが叶うのかもしれません。 |