バンドタイプリングは、現代の女性が日常使いできるジュエリーです。古くから他のリングのガードリングとして使われている様子が500年前の貴婦人の絵画にも残されています。20世紀前後には、ダイヤモンドをはじめとする宝石の産出量が増大し、研磨技術も向上して、2〜4mmの小粒で良質な宝石を市場に供給できるようになりました。この美しい素材を組み合わせて、完成度を高めたのが宝石のバンドタイプリングです。
このリングに使われているエメラルドは、オイルなどの含浸をしていない無処理のザンビア産のものです。プロング(爪)のイエローゴールドがエメラルドに作用して、格別に美しいグリーンを見せています。特にザンビア産エメラルドは、コロンビア産のものに比べてブルー味が強いため、イエローゴールドに映えて美しさがより発揮されるのです。このリングが全てプラチナで作られていたら、魅力は半減していたはずです。これは作りが優れているというよりも、構想が優れていた結果です。プロングで宝石のキズを隠すようなことはすべきではありませんが、宝石の美しさを引き出す工夫は、優れたジュエリー作りには欠かせません。 |
下は、次ページのバンドタイプリングを発展させた全周のダイヤモンドリングです。手の甲からも掌からもダイヤモンドの美しさを楽しむことができます。全周のダイヤモンドリングは、コマ取りの都合でサイズが限定されてしまいます。しかし全周にデザインが施されているのですから、多少サイズがゆるくてリングが回ることがあっても問題はありません。大きめのものを選ぶのが賢明です。
エメラルドは、硬度が7 1/2〜8と低くて脆いので、全周リングにはふさわしくありません。また、硬度9のルビーやサファイヤでも、全周リングは避けるべきです。ダイヤモンドはある程度の衝撃にも耐えられますが、それでも長年使っていると傷つくことがあるのです。全周リングは特に丁寧に使って、永遠の美しさを楽しみたいものです。 |