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無処理とオイル処理

エメラルドの原石は、フラクチュアー(fracture,裂け目)が多く、可能な限りそれを避けて研磨をします。それでも美しさを損うキズとして、フラクチュアーが残ってしまうことがほとんどです。このため、エメラルドと屈折率が同程度のオイルをフラクチュアーにしみ込ませて、キズを目立たなくする処理が古くから行われてきました。近年、この処理が極端になり、時が経つにつれてオイルが蒸発し、大きなキズが目立つようになる経年変化が問題になっています。また、オイルの代わりに樹脂を含浸させ、表面を硬化させる処理も行われています。

無処理のエメラルドは、原石の目減りが多く、コストは高くなりますが、ぶつけたりして破損しない限り、美しさがかわることのない貴重なものです。一見同じように見えても、処理を施したものと比べると、無処理のエメラルドは透明度(transparency)が高く、特に数個づつ比べてみると、その差が肉眼でもわかります。

エメラルドの原石の取り引きでは、石の中を見るためにベビーオイルに原石を浸します。中を調べた後、フラクチュアーを通し内部にしみ込んだオイルは超音波洗浄で取り出します。それ以後の行程で一切オイル処理をしないエメラルドが無処理エメラルドです。

エメラルドの品質を見るときは、オイル処理などが行われたどうか、プロセスを把握しておくことが大切です。また、顕微鏡やフーリエ分光光度計を使った科学的な検査でも、内部含浸の程度や物質を特定することが可能です。しかし検査の後でも、簡単に含浸処理を行うことができるため、報告書のデータが付けられていても確証にはなりません。

ダイヤモンド、ルビー、アクアマリンなどの宝石の中でも、フラクチュアーの多い低品質のものには、鉛ガラスやオイルなどを含浸させてキズを隠すことができます。同じような見栄えにもかかわらず、特別に低価格のものがあった場合は、含浸処理を疑ってみることが必要です。
無処理
オイル処理
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