諏訪恭一、ジュエリーを語る

5. 社会貢献。

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私共のお取引先で、バンドリングの売り上げを飛躍的に伸ばしているお店があります。バンドリングは、小粒のダイヤモンドを並べたシンプルな指輪で、日常使いに適しています。丁寧に使えば、10年後、30年後、50年後も着けられますし、重ね着けして楽しむこともできます。しかも小粒のダイヤモンド一粒一粒はリーズナブルなので、美しく仕立てられたバンドリングは、価格の面からも優れものです。お客様の指にあわせて、注文を受けてから約1ヶ月で仕立てますが、月々の受注が100本を超えるようになっているのです。

年末、私共の担当者は、このお店の方から「我々は、バンドリングを販売して社会貢献をしています」と言われたそうです。バンドリングを贈られた女性は、毎日のように身に着けて楽しみ、パートナーに感謝します。一方パートナーも、女性が喜んで身に着けているのを見て、贈った喜びを感じるでしょう。このお店のバンドリングの80%以上が、エンゲージ、ウエディング、アニバーサリーとしての購入ですから、月に100本のリングは、200人の方々に喜んでいただいていることになるのです。

身に着けて楽しめるものが宝石です。タンスの肥やしになってしまうものは、宝石のようで宝石ではない、宝石としての価値を失う、といっても過言ではありません。目先を変えたジュエリーが溢れている市場で、シンプルなバンドリングを多くのジュエリー初心者の方に楽しんでいただくことは、ジュエリー業界にいる我々の使命です。バンドリングからスタートして、本当のジュエリーの良さ、身に着けて楽しむ喜びを感じた方々は、やがて次のジュエリーを求め、楽しみを広げるでしょう。

支持されている真因は、このお店で販売にたずさわる一人一人が意義のある仕事をしているという、充実感、誇りにあるのだと思います。お客様に喜んでいただくこと、ジュエリーの良さを実感していただくこと。売り上げ至上主義ではなく、社会貢献につながっているという意識で販売し、成果が上がっていることに、ジュエリーの明るい未来を感じます。

2011/1/11