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宝石辞典
ザンビア産エメラルド(オイル処理)

エメラルドの産地として現在コロンビアに次いで重要なのが、アフリカ南部のザンビアです。ザンビアでのエメラルドの発見は1931年でしたが、商業的生産に入ったのは1967年頃、ミク鉱山からです。産出はピーク時には月間40キログラムにまでなりました。その後カマカンガ鉱山などつぎつぎと採掘が開始され、100カラットを超える透明度の高いエメラルド原石も発見されて採算が取れているようです。ザンビアのエメラルド原石の形はコロンビア産のような六方柱形ではなく、結晶の形が崩れています。

ザンビア産エメラルドは半数以上が国外に持ち出され、インド、イスラエル、ドイツなどの国で研磨されています。ザンビア産とブラジル産は色みも似ているものが多いため、研磨業者は両山地とも同じように扱って、特に低品質のものは混ぜて売られます。

ザンビア産、ブラジル産のグリーンはバナジウムに起因しており、コロンビア産のクロムとの差が美しさの違いに表れてくるようです。エメラルドはベリルという鉱物で、べリルにはグリーン以外にもいろいろな色があります。グリーンのべリルの中でも、グリーンがバナジウムやクロムに起因しているものをエメラルドといいます。グリーンが鉄に起因しているものは通常薄いグリーンをしていますが、たとえ色がエメラルドのように濃くてもグリーンべリルと呼ばれます。

ダイヤモンドを10とするモース硬度では、エメラルドは7~8で、水晶の7よりは硬いのですが、不純物や亀裂が多く、もろい特性があります。ジュエリーとして身につけるときは十分に配慮することが必要です。

ザンビア産のエメラルドグリーンは、コロンビアのものと比べブルーが強いものが多く、グリーンの深みに欠けるものも見られます。けれども、0.5カラットサイズにはかなり魅力的な品質のものが存在し、リングやペンダントなどの比較的手ごろな価格のジュエリーの主石として有用な素材です。しかし数カラットのものはコロンビア産と比較すると、残念ながら美しさに大きな差を感じます。

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