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ビューティグレードの
要素と見分け方

ここではサファイヤを例にとって、宝石全般のビューティグレードの要素について説明しましょう。宝石のビューティグレードは、以下の8の要素が絡み合った美しさの程度の位置づけです。一つの要素が決定的に美しさの低下に影響を与える場合と、複数の要素が影響を与える場合とがあります。

すぐ下のサファイヤは、欠点となる要素のない美しい宝石です。
1.色相

このサファイヤのブルーは、上のものに比べてやや赤みがかっています。これは色相が青紫方向に動いたもので、これとは逆にサファイヤには緑がかるケースがあります。色相は産地の特徴であったり、明度に関連していたり、品質判定のキーポイントとなっています。
2.透明度(原石の質(たち))

このサファイヤの透明度は高品質のものに比べて低く、多少濁っているのがわかります。ほかの条件がほとんど同じでも、透明度の高低は美しさに数倍の差を生じさせ、宝石の価値を大きく左右します。これはカラーストーンだけでなく、ダイヤモンドにもあてはまります。
3.彩度(純色、グレイみ、褐色み)

このサファイヤのブルーはグレイみが強いもので、最初のものと比べると明らかです。このように、グレイみや褐色み(赤系統の宝石)がかかることがあります。純色のものを彩度が高いといい、グレイみの強いものを彩度が低いと表現します。

4.多色性の方向と程度
(複屈折の鉱物に限る)

このサファイヤのブルーは高品質のものに比べ、ブルーのほかに紫みとグリーンみの二つの色が出ています。原石の善し悪しや光軸に対するテーブル面の角度などの影響ですが、美しさを大きく損ないます。

5.形(なり)(輪郭、プロポーション、仕上げ)

このサファイヤは非常に薄く平らに研磨されたもので、ブルーがほとんど抜けてしまっています。光の屈折と反射から生じるファセット面のモザイク模様の美しさも見られず、ブルーがわずかに外周に映っている、アクセサリークオリティにも入らないリジェクション(拒絶されたもの)です。

6.ウィンドウ、色ムラ、色の豊かさ

中心付近に二つのブルーの色帯と3カ所の無色の部分が見られます。色ムラは、色のかたよりとカットの状況が複雑に作用して発生します。色の豊かさは、これとは別に原石の善し悪しに起因します。
7.インクルージョン(内包物)

テーブル面の上のほうに丸みを帯びたものが目に入ります。これは肉眼で見える内包物で、カラーストーンといえども、ビューティグレードに影響を及ぼします。光線、見方、角度などを工夫してインクルージョンを確認する必要があります。
 
8.蛍光性

一部のルビー、ダイヤモンド等に見られる蛍光性は、美しさをプラスしたりマイナスしたりする要素です。

品質の見分け方

サファイヤは明度5で、透明度の高い輝きのある品質が魅力です。それにあてはまるのはスリランカ産で、この点では他の産地のものを寄せつけません。

小粒のサファイヤは弱い光のもとでは黒っぽく見え、特に明度6以上では美しさが失われてしまいます。むしろ明度4くらいの方が、暗いところで美しさを発揮します。欧米では濃いめの色のものが好まれる傾向があり、高値がついていることがありますが、透明度が欠ける場合には、それが正しい評価とはいえません。

大きめのジェムクオリティのサファイヤにはファセットの屈折と反射がつくる深いブルーに淡いモザイクが現れます。ミャンマー産に見られるような明度7の大粒のサファイヤの品質は、モザイク模様のバランスの良否で判断することが大切です。
「宝石2」P.62〜65に、SAPPHIRE(無処理)が掲載されています。ご参照ください。

 
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