ごあいさつ

第16回 アンカットダイヤモンドジュエリーコンテスト

大自然が生み出したアンカットダイヤモンドを観察し、その魅力を見出し作品に表現する

「ダイヤモンド」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべられるでしょうか。

おそらくほとんどの方は「キラキラとした輝き」をイメージされると思います。しかしそれはダイヤモンドが自ら持って生まれてきた「本当の姿」ではありません。

皆さんのよく知る、まばゆいばかりの輝きを放つダイヤモンドは正確には「カット・アンド・ポリッシュト・ダイヤモンド(cut and polished diamonds)と呼ぷべきものです。

人類がダイヤモンドと出会ってから、14世紀頃に研磨技術が登場するまでの2100年もの間、ダイヤモンドは人の手が加えられていない、自然が生み出したままの姿で人々を魅了していました。

今から十数年前のことです。アンドリュー・コクソン氏との共著『ダイヤモンド 原石から装身具へ』の執筆のため、世界有数の研磨地であるアントワープへ何回も足を運んでいたとき、ディーラーのひとりが「原石には研磨してしまうには惜しい、魅力的なダイヤモンドがあるんだよなあ」とつぶやきました。その何気ない言葉がまさに天啓であるかのように、私の心に深く突き刺さったのです。

そして、カットも研磨もされていない自然のままのダイヤモンドの魅力を発信するために 2009年に「アンカットダイヤモンド ジュエリーコンテスト」を立ち上げました。

形が整っていて留めやすい研磨済みダイヤモンドとは異なり、アンカットダイヤモンドはいっさい手を加えていないため、たとえ正八面体であったとしても一つとして同じものはありません。

個々に異なるアンカットダイヤモンドへの対応は、アイデア以上にデザイナーを苦しめるでしょう。しかしそれを乗り越え、自然のままのダイヤモンドの力強さを引き出す工夫を思いついた瞬間、デザインの構想が大きく広がっていくに違いありません。宝石とは地球の尊いカケラです。自然が生み出したままのダイヤモンドの魅力を引き出し、 永く受け継がれてゆくジュエリーを募集します。

2025 年 4 月吉日
諏訪 恭一


募集要項

Application Guidelines


応募デザイン、作品の諸権利

応募デザインの諸権利は応募者に帰属するものとします。ただし、コンテストに関する以下の権利は、諏訪貿易(株)にあることを応募者は許諾するものとします。

1) 広報活動のため、インターネット上(HP、SNS等)・新聞・雑誌などの媒体への掲載に関する権利
2) 最終審査に選ばれ製作された作品の掲載・広報・展示・販売に関する権利

なお、製作された作品を商品化する場合には、応募者と協議のうえ行うものとします。

審査結果通知

入賞者には 7 月下旬頃にお電話にて応募用紙記載の番号にご連絡いたします。

審査結果発表

入賞作品は 2025 年 9 月 30 日(火)正午に弊社サイトにて発表いたします。

規定

・応募用紙1枚につき1作品のご応募となります。(お一人様、何点でもご応募いただけます。)
・テーマ石以外の宝石も使用したい場合は、以下の範囲内とさせていただきます。
カラーレスダイヤモンド(φ1.5mm~φ2.5mm)。
すべてラウンドカット。
・使用貴金属はプラチナ(PT950)、イエローゴールド(K18)、ピンクゴールド(K18)を使用したものとします(単体でも、複数の貴金属を組み合わせても可)。応募用紙の「使用素材」欄を確認し、使用する貴金属素材に丸をつけてください。
・エナメル、木材、漆、ガラスなどの特殊素材はご使用いただけません。近年シルバー素材で制作するよう書かれたご応募が多くなっていますが、制作していませんのでご注意ください。またアンカットダイヤモンドの穴開けはできません。
・未発表作品に限ります。


審査員
(敬称略)

長嶋 泰子(ながしま・やすこ)

長嶋 泰子(ながしま・やすこ)

デザイナー / 多摩美術大学デザイン科卒。卒業後、渡伊。外資系アパレルメーカーの本社企画部グラフィック部門を経て帰国。全国展開の衣食住関連製造小売業にて商品企画バイヤー、デザイン事務所、IT関連企業、大手メーカーのデザイン部、宣伝部などを経て2005年に独立。2011年に兼ねてから興味のあったジュエリーデザインに挑戦し、翌年には第3回SUWAラフダイヤモンドジュエリーコンテスト最優秀賞ほか複数のコンペで受賞。ビジュアルコミュニケーションとグラフィックデザインを軸に、企画、マーケティング、制作ディレクション、デザイン監修など幅広く行う。

ブログ : https://letratica.com/

野澤 治仁(のざわ・はるひと)

野澤 治仁(のざわ・はるひと)

ジュエリー作家を経て日本宝飾クラフト学院で制作の指導にあたる。ジュエリーコーディネーター2級。
・現在 / 日本宝飾クラフト学院 学院長、創作ジュエリーグループ「ピクシスの会」ディレクター
・コンテスト審査歴 / ヨコハマジュエリー・アクセサリーデザインコンテスト審査員、愛南町パールジュエリーデザインコンテスト審査員、シーマワールドジュエリーデザイン大賞2011審査員、SUWAアンカットダイヤモンドジュエリーコンテスト審査員
・著書(共著)/ 「ワックスで創るジュエリー」美術出版社

菅原 晴子 (すがわら・はるこ)

菅原 晴子 (すがわら・はるこ)

武蔵野美術短期大学工芸デザイン科卒業、石倉禎江氏に師事。
山脇美術専門学校で講師を務める傍ら、国内外のジュエリー・アート展に出展。
インターナショナルパールデザインコンテスト 銀賞・佳作、日本ジュウリーアート展 大賞 など。山脇美術専門学校定年退職後の現在、公益社団法人日本ジュエリーデザイナー協会正会員として活動。

HP : https://harukosugawara.com/

松川 覚(まつかわ・さとる)

松川 覚(まつかわ・さとる)

ジュエリークリエイター マンモス主宰
1958年 徳島県生まれ。
工業デザインを学んでいる時に全ての工程を自分で出来るジュエリーデザインに惹かれ、(株)プリンセスパールデザイン室に入社。その後アメリカロサンゼルスの会社に転職。ジュエリーの幅広い購買層のお客様と会してこの仕事が人の喜びや笑顔と共に有る事に気付く。
約5年のアメリカ滞在後、帰国。ファインアート&カンパニーを開業し多くの会社などから注文を受けて運営。バブル崩壊後、個人事業の行き詰まりを感じ友人と有限会社を設立。その後方向性の違いなどから再び独立。社会人となって一貫してジュエリーに携わってきた経験を生かして顧客一人一人の日常に彩りと潤いを加えてもらいたい。そんな思いで製品を作り続けている。

吉田 由子(よしだ・ゆうこ)

吉田 由子(よしだ・ゆうこ)

株式会社 CAHiER(カイエ)代表。ジュエリークリエイター。
2011年より2年半ジュエリー工房勤務。諏訪貿易株式会社にてデザイン制作に携わるかたわら、2013年よりCAHiERを立ち上げる。
2015年にH.P.FRANCE主催のファッション展示会“rooms”にて亀山アワードを受賞。

HP : https://cahier-cb.com/

プレス奨励賞審査員
(敬称略)

本間 恵子(ほんま・けいこ)

本間 恵子(ほんま・けいこ)

ジュエリー・時計ジャーナリスト。東京都出身。ジュエリーデザイナーから宝飾専門誌のエディターに転身し、後にフリーランスに。国内外の見本市や展示会を取材して雑誌や新聞に寄稿する他、トークショーやジュエリー史の研究も行う。

清水井 朋子(しみずい・ともこ)

清水井 朋子(しみずい・ともこ)

ジュエリージャーナリスト。ヴァンドーム広場からボツワナのダイヤモンド鉱山までを取材。多くのラグジュアリー誌でジュエリーに関する企画・構成・執筆を手がけ、 その独自の切り口が高い評価を受ける。また、ジュエリーのブランディングやコミュニケーション、商品開発のコンサルティングにも携わっている。

源川 暢子(みながわ・のぶこ)

源川 暢子(みながわ・のぶこ)

フリーランスライター・エディター。
大学卒業後、出版社で料理専門書の編集を経験した後、2000年よりフリーランスのライター、エディターとして活動を開始。得意分野の料理をメインとして、ウエディング、ジュエリー、ファッション、健康など幅広い分野で月刊誌、書籍やWEBサイト、企業向けPR誌の企画・編集・ライティングなどを行っている。FOODEX JAPAN、HOTERES JAPANのレポート、Apple社主催のイベント「Today at Apple」でセッションを行うなど、ライター以外の活動も多い。著書に、「六本木発ワールド・ダイニング」(日経BPコンサルティング)、「おいしい料理は愛情と工夫から」(日経BP社)、「ごちそう煮たまご」(フローラル出版)がある。

渡辺 郁子(わたなべ・いくこ)

渡辺 郁子(わたなべ・いくこ)

株式会社インク・インコーポレーション代表取締役。獨協大学外国部学部卒業後、外資系化粧品会社でカタログ制作、販促に携わる。退社後は出版、広告業界で働く。
光文社「CLASSY」編集部等でジュエリー、美容の取材を担当。その後、広告代理店のクリエイティブ・ディレクターとして勤務。独立後は「25ans」「家庭画報」などの女性誌、ジュエリーや化粧品、百貨店などのカタログ制作に関わる。2000年「ブランドジュエリー」(双葉社で創刊)の編集長として編集全般に携わり、それを機に2002年起業。2010年出版事業部WORD LABO(ワードラボ)を立ち上げ、2012年より「ブランドジュエリー」の発行を自社で行う。同時に他社の出版の業務も行う。山口遼氏著「ブランド・ジュエリー30の物語」(東京美術)など。2017年より、ジュエリーの販売業務、小売店のコンサルティングを開始。 2019年、ウーマン・ジュエラーズ・ジャパン(WJJ)を設立。ジュエリー業界における女性の活躍と、若い世代に向けてのジュエリーの普及を目指す。

株式会社インク・インコーポレーション
http://ink-inc.co.jp/

宮坂 敦子(みやさか・あつこ)

宮坂 敦子(みやさか・あつこ)

企画編集者・著述家。HRD Antwerp Diamond Grader(ベルギー・ダイヤモンド・ハイ・カウンシル公認ダイヤモンドグレーダー)。株式会社Miyanse代表。ジュエリーを学び、交流するコミュニティ・ジュエリー研究会ムスブ主宰。『すぐ分かる日本の装身具「飾り」と「装い」の文化史』(露木宏氏と共著・東京美術)、著書に『ジュエリーの基本ブック』『増補改訂 レザークラフトの便利帳』(ともに誠文堂新光社)、『ジュエリーのポケットブック』(アッシュ・クリエイティブ)など。